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夫所有の車を実父が運転し、単独事故を起こした場合

交通事故の強制保険である自賠責保険と任意保険(テレビCMで見る保険です)では

こんなに扱いが違うという事例です。

夫婦と子供、そして妻の実父と実母が1台の車に同乗し、お墓参りに向かっています。

この車は夫の所有ですが、ハンドルは実父が握っています。

急なカーブに差し掛かったところ、運転を誤りガードレールに衝突。実母が亡くなりました。わかりにくいので、サザエさん一家に例えると、マスオさん所有の車を波平が運転し、舟が亡くなったということです。

こういう場合の保険金はどうなるのでしょう?

自賠責法3条では自己のために自動車を運行の用に供する者は「運行供用者」と定義づけられています。運行供用者は損害を賠償しなければならない者に当たります。この運行供用者に、運転をしていた実父(波平)、そして車の所有者である夫(マスオ)が該当します。それでは家族間なのに、亡くなった実母(舟)に損害賠償金を支払わなければならないのでしょうか?

自賠責保険は強制保険なので、ほとんどの方が加入してあると思います。車検のときに必ずセットになっている保険です。この保険は車の修理代だけの物損事故には支払われません。怪我をした、また死亡事故の人身事故に対して支払われます。

実母は実父の妻でありますが、自賠責保険では妻は他人として扱われています。波平の妻、舟は他人となります。他人であれば、自賠責保険から保険金が支払われます。

自賠責保険は限度額が決まっています。死亡は3,000万円となり、舟に対して3,000万円が支払われることになります。舟が亡くなり相続が発生しますが、ここでは相続の件はこっちに置いておいて・・・

それでは加入している任意保険はどうなるのでしょうか?

任意保険では被保険自動車を運転中の者と、被害者とが、親子、夫婦の関係にあるときはこれによって被保険者が被る損害に対しては、保険金は支払われないとあります。(対人賠償保険)

つまり、舟の損害に対しては保険金が支払われないことになります。例えば波平やマスオさんが怪我をしていても、任意保険はもちろん自賠責保険も損害に対する保険金は支払われません。

しかし、それでは舟さんを亡くされたサザエさん一家としてはあんまりなので、ここで波平とマスオさんに保険金が支払われるためには「人身傷害保険」という保険に加入しておけばよいのです。

この保険のメリットは過失にかかわりなく自分の怪我について、そして搭乗中の家族に対しても契約した保険会社から直接保険金が支払われるということです。ただ死亡された方には保険金は支払われません。

任意保険では様々な内容の保険契約があります。その保険金が支払われるべき人の範囲も違ってきます。

 

 

 

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